革靴を履き続けて
またしても革靴のお話。
実は前回のお話で購入した”スコッチグレイン”パンチドキャップトゥだが、履いて一ヶ月も
しないうちにつま先部分が剥がれてしまった・・・
文字通り”皮一枚でつながった”状態に。
歩道の溝の蓋の手を差し込む穴に引っかかってしまったのである。
ガツっっとつまづいた様な感覚。ふとつま先を見てみると「え・・・っ」
小指の先くらいの範囲にわたり、みかんの皮の剥き始めのように捲れ上がっている。
一瞬思考回路が止まり、そして理解する。
ん???・・・えっ・・・・・
えええぇ〜〜〜↓↓↓ちょっと待ってよ↓↓↓↓
(心の中で。いや、実際に声に出てたかも・・・)
ぺろーん・・
まだ買って一ヶ月も経っていないほぼ無傷な状態にいきなり取り返しのつかない傷が!!
何でこんなのにつまづいたんだ。。猛烈に後悔。1分前に戻れない!?汗
絶対に戻れない!!泣
えぇ〜〜〜勘弁してよぉぉ。。。初めて買った本気の靴が・・・
しかし後悔しても戻らない。わかっているけど、えぇ〜。。
一気にやる気を削がれた気分だ。実際に削がれたのは靴だが。泣
相当情けない顔をしてたはず。泣笑
なんと次月東京にて念願の靴磨き店での初磨きを控えていた時だった。
これ以外には磨いてもらう様な靴は持っていない。どうしよ・・・・
革用のボンドで貼り付けてみるか・・・いや、ミスってもいやだなぁ。。
これが自分の手の皮だったらむしって捨てるのだが。笑
悩んでても仕方がないか・・ということで、ひとまずそのまま持っていくことに。
そして当日。
有名ブランド店があちこちに並ぶ南青山の街。目的の店を見つける。
秘密基地の様な階段を上がり、ドアを開くとスーツの男性に迎えられる。
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」
先月ワークショップでお会いしているので覚えていて下さり、めちゃくちゃ嬉しい。
店の雰囲気もレトロな雰囲気かつ上品で、緊張のあまりガチガチになる。
ちょっと小慣れた感を出した方がいいかと思い、気持ち優雅に歩くが力んで不自然なだけ。笑
カウンターに腰掛け、飲み物を注文。テレビで見る高級ラウンジの様な雰囲気。
自分が場違いで少し恥ずかしくなるくらいかっこいい場所。
ドリンクが運ばれ、爽やかなトークと共に磨きが始まる。動画で見ているとはいえ
生で見ると痺れる・・・。やっぱり何千何万の場数をこなして積み上げてきた技は
素晴らしい。プロの技は心を動かされる。
ここでめくれ上がった傷を診てもらう。
「こないだ歩道の溝の蓋の持ち手に引っ掛けちゃって・・・。ホント凹みます。」
「あぁ〜やったちゃいましたね〜〜笑」あまり深刻そうではない。
ちょっと待ってくださいね、とカーテン裏に入り、何か作業をしている。
数秒で戻ってきて「簡単にくっつけときました!」と磨き作業に戻る。
「綺麗に履かれてますね〜」とお褒めの言葉を頂く。
ホコリ落とし、汚れ落とし、クリームによる栄養分補給とテンポよく進んでいく。
これを話ながら止まらずにこなすから本当に凄い。
話も適当な相づちではなく親身になり、磨きは自分が時間をかけても敵わないレベルで
スムーズに磨いていく。プロの技を目の前で見れて靴も綺麗になるというお得感。
個人的に、同じお金を遣うのでも『いい遣い方』が出来たなぁと実感する。
時間、空間、技術、飲み物、会話とこれだけのものを体感できる。
全部こんな風に遣えたらお金も心ももっと豊かになるのかな・・と思う。
色々考えているうちに「こんな感じです!」と磨きが終了。
磨き終えて
ばばーん!と出された僕の革靴は見たこともないほど輝いている。
「うわ・・・・やば・・・・・」
「でしょう。傷もわかんなくなりましたね」
めくれ上がったのがどっちかも分からんくらい綺麗になってる!!
というか新品の時より綺麗!?笑
これが世界一の技か・・・。自分とどこまで離れてるのかもわからないくらい感動。。
正直な感想は「履くのが勿体ない。飾りたい。」に尽きる。
だが、履いてこそ靴。これを履いて”らしい”振る舞いをしなければ!
「今日はありがとうございました!最高な時間でした!」とお店を後にする。
家に着いても何度も見る。ホントに綺麗だ。あれ?よく見たらここ・・・みたいなことが
無い。一つの作品の様だ。誰かに見せたくなる。これはすごくプラスの効果ではない
だろうか。靴一つでこんなに前向きになるのか。しかし、靴下も良いもにせねば。。
そしてスーツも。靴に見合った身なりを心掛けねば。良い相乗効果だ。
ビジネスマンは名刺交換の際に前傾になって名刺を交わすため、靴が見える。
ここから”足元を見る”という言葉が生まれたとか。。
まさにオシャレは足元から。
見てくれに気を遣うなら靴から始めるのが良いかもしれない。
季節を選ばないし、長く愛用できるからだ。
よし!!これを期にこの靴が似合うオジサンになろう!!
そして一つの決意が頭に浮かぶ。
”絶対溝の蓋の上は歩かない。” 笑
ホントにちぎらなくてよかった。仮に負傷した場合はプロに見てもらいましょう。
それではまた!

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